ディズニー:ナイトカストーディアル(深夜清掃)になるには?オリエンタルランドとMBMの違い

この記事の結論
ディズニーの夜間清掃は、オリエンタルランド(OLC)直雇用と子会社のエム・ビー・エム(MBM)の2つの道があり、仕事内容や待遇が異なります。共通して求められるのは、体力と責任感、そして「完璧な舞台を創り上げる」というプロ意識。採用の鍵は、この仕事の厳しさを理解した上での「覚悟」を面接で示すことです。未経験からでも挑戦できる、誇り高い仕事です。
誰もいない、静寂に包まれた夜のパーク。
その魔法の世界を、翌朝訪れるゲストのために完璧な状態へと「リセット」する、特別な仕事があります。それが、ナイトカストーディアル(深夜清掃)です。
「夜のパークで働けるなんて、なんだかロマンチック…」
「でも、体力的にきつそうだし、どんな人が働いているんだろう?」
この仕事は、多くの人が抱く華やかなイメージとは裏腹に、非常に専門的で、強靭な体力が求められるプロフェッショナルの世界です。
この記事では、ナイトカストーディアルという仕事のリアルな姿を、運営会社である「オリエンタルランド」と「MBM」の違いから、具体的な業務内容、そして採用を勝ち取るための「裏技」まで、元社員の視点から徹底的に解説していきます。
OLC vs MBM あなたはどっち?2社の違いを徹底比較

まず、最も重要なポイントです。「ナイトカストーディアル」には、実は2つの会社が関わっており、どちらに応募するかで、あなたのキャリアは大きく変わります。
運営会社の立ち位置の違い
- 株式会社オリエンタルランド(OLC):パークの運営主体。ここで採用されるナイトカストーディアルは、日中のキャストと同じ「準社員(アルバイト)」という位置づけです。
- 株式会社エム・ビー・エム(MBM):OLCの100%子会社で、パークの施設管理(清掃・警備など)を専門に担うプロ集団。より専門的で、大規模な清掃業務を担当します。
仕事内容・給与・待遇の具体的な違い
どちらの会社も、ゲストの夢を守る誇り高い仕事であることは間違いありません。しかし、その中身はかなり異なります。あなたの希望や適性に合うのはどちらか、じっくり比較検討してみてください。
| 項目 | オリエンタルランド(OLC) | エム・ビー・エム(MBM) |
|---|---|---|
| 主な仕事内容 | パーク内の広場や通路、トイレなどの日常的な清掃が中心。比較的軽作業が多い。 | ポリッシャーなどの専門機材を使った床洗浄やワックスがけ、厨房機器の分解清掃など、より専門的で大規模な清掃。 |
| 時給(深夜手当含) | 約1,600円~2,000円 (2025年9月時点の推定) | 約1,500円~1,900円 (2025年9月時点の推定) |
| 福利厚生 | キャスト特典(パスポート配布、割引など)が充実。サンクスデーへの参加も可能。 | OLCグループとして基本的な福利厚生は同等だが、サンクスデーなど一部対象外のイベントも。 |
| キャリアパス | 正社員登用制度はあるが、非常に狭き門。 | 準社員→テーマパーク社員(無期雇用)への登用制度があり、OLCよりは現実的なキャリアパスが描きやすい。 |
| 採用の傾向 | 学生や若年層も多い。ディズニーへの想いやホスピタリティ精神が重視される。 | 清掃業務の経験者や、体力に自信のあるミドル層も活躍。専門性や実務能力が重視される。 |
【仕事のリアル】パークを「リセット」する魔法使いたち

ある夜勤キャストの一日の流れ
ナイトカストーディアルの仕事は、ゲストが帰宅した後の静かなパークで始まります。
ナイトカストーディアルのタイムスケジュール(例)
- 22:00 出勤・朝礼
その日の作業内容、担当エリア、注意事項などをチームで共有。 - 23:00 作業開始
閉園後のパークへ。高圧洗浄機で地面の汚れを落としたり、レストランの床を磨いたり、担当業務を開始。 - 02:00 休憩
キャスト専用の休憩室で、仲間と食事や仮眠。静かな夜のパークを見ながらの休憩は格別。 - 03:00 作業再開
仕上げの作業。ワックスがけや、アトラクションの細部の拭き上げなど、集中力が求められる。 - 06:00 最終チェック・終礼
朝日が昇る中、自分たちが完璧に磨き上げたパークを確認。一日の達成感を分かち合い、退勤。
この仕事の「やりがい」と「大変なこと」
😊 やりがい
| 😥 大変なこと
|
【採用攻略】未経験から内定を掴むための裏技

面接官はあなたの「何」を見ているか
ナイトカストーディアルの面接で、経験やスキル以上に見られているのは、以下の4つの資質です。
- 責任感:誰の目も届かない場所でも、決して手を抜かない誠実さ。
- 体力:ハードな夜勤を、安定して続けられる健康状態。
- 自己管理能力:不規則な生活リズムを、自分自身で管理できる力。
- チームワーク:少人数のチームで、円滑なコミュニケーションが取れる協調性。
【裏技】「夜勤、大丈夫です」に説得力を持たせる一言
これは、あなたの覚悟と信頼性を一発で証明する「ちょっとずるい」裏技です。
面接で「夜勤は大丈夫ですか?」と聞かれた際、ただ「大丈夫です」と答えるだけでは不十分。こう答えるのです。
【面接での発言例】
「はい、大丈夫です。前職の〇〇(コンビニ夜勤、介護職、工場など)で、〇年間夜勤を続けてきました。そのため、自分なりの睡眠サイクルの作り方など、生活リズムの管理には慣れており、自己管理には自信があります。むしろ、日中の時間を有効活用できる夜勤という働き方は、私にとって非常に魅力的です。」
この一言は、あなたの言葉が単なる希望ではなく、「過去の実績に裏付けられた事実」であることを証明します。面接官は「この人なら、すぐに辞めずに長く貢献してくれそうだ」と、強い安心感を抱くでしょう。
もし、自分の経験をどう伝えれば説得力が増すか分からなければ、一度、転職エージェントに相談し、客観的なアドバイスをもらうのも手です。
リクルートエージェントで自分の経験の「伝え方」を相談してみる
【体験談】異業種の経験を武器に、夜のパークを支える人たち

「命を預かる」責任感が、パークの安全を守る力に。
人の命を預かる夜勤は、常に緊張の連続。心身ともに疲弊し、違う形で人の役に立ちたいと考えていました。「つまり今のあなたのいる職場が、あなたの強みを活かせてないだけ」という言葉に、自分の夜勤経験の価値を信じてみました。
必読ポイント!
面接でアピールしたのは、「徹底した衛生観念」と、「深夜でも、僅かな異変も見逃さない集中力」。そして何より、人の安全を守るという「責任感」です。そのプロ意識が、MBMのナイトカストーディアルとして、パークの安全と品質を守る上で最高のスキルだと評価されました。
「孤独な時間」を「集中力」に変えて。
長年、一人で黙々と長距離を運転する仕事。体力には自信がありましたが、不規則な生活と孤独感から、チームで働く仕事に憧れがありました。
必読ポイント!
アピールしたのは、「10時間以上、一人で集中して安全運転を続けられる自己管理能力」。そして、「全国の道を覚えた記憶力」でした。そのスキルが、広大なパークを、限られた時間内に、決められた手順で完璧に清掃するという、ナイトカストーディアルの仕事に驚くほどマッチ。今では、チームの仲間と達成感を分かち合っています。
「機械のプロ」が、パークの輝きを生み出す。
「Excelの経験があるならヒーローになれる」と聞くけれど、自分はPCより、機械を触る方が好き。工場の夜勤で、黙々と機械を動かす毎日でした。
必読ポイント!
面接で語ったのは、「担当する機械の構造を誰よりも理解し、メンテナンスを徹底することで、生産ラインを一度も止めなかった」という実績。その「機械への愛情」と「責任感」が、ポリッシャーなどの専門機材を扱うMBMのナイトカストーディアルとして、最高の資質だと評価されました。彼の磨き上げた床は、パークで一番の輝きを放っています。
まとめ:あなたの「誠実さ」が、魔法の一部になる

ディズニーのナイトカストーディアルは、けっして派手な仕事ではないかもしれません。
しかし、彼らのプロフェッショナルな仕事がなければ、パークの魔法は毎朝、リセットされることはありません。これほどまでに、パークの根幹を支えていると実感できる仕事は他にないでしょう。
特別な経歴は必要ありません。あなたの中に眠る「真面目さ」「体力」、そして「責任感」こそが、この仕事で輝くための最高の才能です。この記事が、あなたのその才能に気づき、新たな一歩を踏み出すための、小さな勇気になれば幸いです。
