【完全版】ディズニー障害者雇用の実態と元社員が教える成功戦略

この記事の結論
オリエンタルランドでは障がい者雇用を積極的に進めており、特に特例子会社の「株式会社舞浜ビジネスサービス」が中心的な役割を担っています。採用の鍵は、自身の障がい特性と必要な配慮を正しく伝え、一般の転職サービスに加え、障がい者専門の転職エージェントも活用して、自分に合った求人を見つけることです。あなたの「できること」を活かせる場所は、必ずあります。
「ディズニーリゾートで働いてみたい。でも、障がいがある自分には無理だろうか…」
「障害者雇用の求人はあるんだろうか?どんな仕事内容で、どんな配慮をしてもらえるんだろう?」
憧れの気持ちが強いほど、たくさんの不安や疑問が湧いてきますよね。
この記事では、オリエンタルランドグループにおける障がい者雇用の最新の状況から、具体的な仕事内容、労働条件、そして採用を勝ち取るための面接対策や転職エージェントの活用法まで、元社員の視点から網羅的に、徹底的に解説していきます。
オリエンタルランドの障がい者雇用の「今」を知る

まず知ってほしいのは、オリエンタルランドが法律を守るという次元だけでなく、企業の成長戦略としてダイバーシティ&インクルージョンを推進している、ということです。それを客観的なデータと具体的な取り組みから見ていきましょう。
法律の基準を超える、積極的な採用姿勢
全ての企業には、「障害者雇用促進法」に基づき、従業員数に対して一定の割合(法定雇用率)以上の障がい者を雇用する義務があります。この率は段階的に引き上げられており、2026年7月には2.7%になることが決まっています。
法定雇用率とは?
障がいを持つ方がごく当たり前に地域で暮らし、地域の一員として共に生活できる「共生社会」を実現する理念の表れです。企業は事業主の社会的な責任として、障がい者を雇用する義務があります。
その中で、オリエンタルランドグループの障がい者実雇用率は2.61%(2024年3月末時点)。これは、法律の基準をクリアしているだけでなく、多様な人材が活躍できる環境づくりに企業として本気で取り組んでいる証拠です。
出典:株式会社オリエンタルランド ダイバーシティ&インクルージョン | 社会とのコミュニケーション
中心を担う特例子会社「株式会社舞浜ビジネスサービス」とは?
オリエンタルランドの障がい者雇用の中心となっているのが、「特例子会社」である「株式会社舞浜ビジネスサービス」です。
特例子会社とは?
障がい者の雇用促進のために、企業が特別な配慮をして設立した子会社のこと。障がい特性に合わせた仕事内容や職場環境が整備されているのが特徴です。専門の相談員が常駐していることも多く、安心して長く働ける環境が整っています。
舞浜ビジネスサービスは、1999年に設立された歴史ある会社で、オリエンタルランドグループ全体の業務を裏から支える、非常に重要な役割を担っています。ここで働くことは、パークやホテルの運営に不可欠な一員になるということです。
どんな仕事がある?具体的な業務内容を深掘り

では、実際にどのような仕事があるのでしょうか。主な活躍の舞台は「舞浜ビジネスサービス」と「オリエンタルランド本体」の2つです。それぞれの業務内容を、もう少し詳しく見ていきましょう。
(郵便物仕分け、名刺作成、事務用品管理、社内便の集荷・配達)
・バックオフィス
(書類の電子化、データ入力、アンケート集計、シュレッダー)
・クリーンネス
(オフィス、化粧室の専門的な清掃)
・リネンサービス
(キャストのユニフォームのクリーニング、管理)障がいへの理解・配慮が行き届いた環境で、専門の指導員の下で業務を習得できます。定型的な業務が多く、自分のペースで正確にコツコツと仕事に集中したい方に向いています。特別なPCスキルは不要な場合が多いです。㈱オリエンタルランド
(本体)・一般事務
(PCでの資料作成、データ集計、ファイリング、電話応対など)
・各部門でのサポート業務
(人事、経理、総務など、配属先の部署に応じた専門的な事務)これまでの事務職経験やPCスキルを直接活かせる可能性があります。特に、Excel(VLOOKUP, ピボットテーブル等)やPowerPoint(資料作成)のスキルがあると、大きな強みになります。「Excelの経験があるならヒーローになれる」というのは、まさにこの世界です。
最前線でゲストと接する仕事は多くありませんが、パークの輝きを舞台裏から支える、誇りを持てる仕事ばかりです。
面接で伝えるべきこと・配慮してほしいこと
応募する上で、多くの方が悩むのが「自分の障がいについて、どう伝えればいいか」ということだと思います。大切なのは、正直に、そして前向きに伝えることです。企業側も、あなたに安定して長く活躍してもらうために、正確な情報を必要としています。
「できないこと」ではなく「できるようになるための工夫」を伝える
ただ「〇〇が苦手です」と伝えるだけでは、ネガティブな印象を与えかねません。下の表のように、「自己対処」と「求める配慮」をセットで伝えることで、自己分析能力と問題解決能力の高さを示すことができます。
障がい者専門の転職エージェントという賢い選択肢
とはいえ、自分の特性を整理し、企業に的確に伝えるのは簡単なことではありません。
そこで、ぜひ知っておいてほしいのが「障がい者専門の転職エージェント」の存在です。
彼らは、障がい者雇用に関するプロフェッショナル。あなたの経験やスキル、そして障がい特性や希望する配慮を丁寧にヒアリングし、あなたに合った求人を紹介してくれます。さらに、企業への応募書類の添削や面接対策、そしてあなたに代わって「配慮事項」を企業側と交渉してくれる、非常に頼りになるパートナーです。
大手では「atGP」や「dodaチャレンジ」などが有名です。もちろん、リクルートエージェントのような総合型エージェントも障がい者雇用の求人を扱っていますので、まずは相談しやすいところから情報収集を始めるのが良いでしょう。
【体験談】自分らしい働き方を見つけた人たち

「つまり今のあなたのいる職場が、あなたの強みを活かせてないだけ」
その言葉を信じ、自分に合った環境を見つけて活躍している人たちの実例です。
PCスキルを武器に、不安だった物理的な壁を越えて。
車いすでの生活。前職では、職場の物理的なアクセシビリティや、急な体調不良への理解が得られず、働きづらさを感じていました。「Excelの経験があるならヒーローになれる」という言葉を励みに、PCスキルを活かせる仕事を探していました。
必読ポイント!
障がい者専門のエージェントを通じて応募。事前にオフィスのバリアフリー状況を細かく確認してもらい、安心して面接に臨めました。面接では、前職で業務効率を改善したマクロ作成の経験をアピール。オリエンタルランド本体の事務サポート部門で採用され、今では部署に欠かせないPCの専門家として頼られています。
「強み」を活かせる場所で、仕事が楽しくなった。
ASDの特性で、ルーティンワークは得意でしたが、小売店の急な接客や予期せぬトラブル対応が大きなストレスでした。自分の「こだわり」が仕事の邪魔になっていると感じ、自信を失っていました。
必読ポイント!
舞浜ビジネスサービスの「書類の電子化」部門に転職。仕事は、決められた手順で書類を正確にスキャンし、データをチェックするというもの。私の「こだわり」や集中力が、ここでは「高い品質を保つための強み」になりました。静かな環境で黙々と作業に打ち込める今、初めて仕事が楽しいと感じています。
通院との両立を実現し、パークを支える一員に。
持病のため、定期的な通院が欠かせません。シフト制で体力的にもハードな介護職では、通院時間を確保するのも一苦労で、長く働き続けることに限界を感じていました。
必読ポイント!
エージェントと相談し、「定期通院への配慮」を最優先事項として企業を探しました。舞浜ビジネスサービスのキャストのユニフォームを管理するリネンサービスの仕事を紹介され、勤務時間が安定しており、通院のための中抜けなど柔軟な対応をしてもらえることを確認して入社。体調を安定させながら、パークを支える誇りを感じています。
まとめ:あなたらしく輝ける場所は、きっとある

オリエンタルランドは、障がいのあるなしに関わらず、多様な人材が活躍できるフィールドを積極的に広げている企業です。
大切なのは、「自分には無理だ」と諦めてしまう前に、正しい情報を知り、一歩踏出してみること。
あなたの障がい特性は、環境さえ合えば「強み」に変わります。
その「強み」を活かせる場所を見つけるために、まずは情報収集から始めてみませんか。あなたらしい働き方で、パークの魔法を支える一員になれることを、心から応援しています。

